共振器法、Sパラメータ法、いずれの方法も測定治具に合わせて試料を加工する必要があります。 誘電率・透磁率の計算に試料のサイズを使用するので、試料サイズの計測誤差は誘電率・透磁率の測定値 に直接影響します。したがって、材料特性を正確に評価するためには、サイズを正確に把握する必要 があります。また、サイズを正確に把握するためには、棒状であれば断面積が均一であること、板状であれば厚さが均一であることが理想です。
試料を棒状に加工することが基本です。推奨サイズは以下の通りです。 また、異方性がある試料の場合、試料を切り出す方向を変えることで、異方性による誘電率の違いが評価できます。
共振器 | 断面(mm)* | 長さ(mm) |
---|---|---|
1-5.8 GHz | 1.5 × 1.5 | 80 |
10 GHz | 60 |
* Φ2.6 mmの試料挿入孔に余裕をもって入る範囲内で作りやすい太さに加工してください。
試料を板状に加工する必要があります。 材料の特性と測定周波数によって適切な厚さと大きさが決まります。
共振器 | 短辺(mm) | 長辺(mm) |
---|---|---|
10 GHz | 62 | 75 |
20-80 GHz | 34 | 45 |
100μm程度を推奨しています。グラフはスプリットシリンダで測定できる最大厚みの目安を表しています。 誘電率が大きいほど、また、周波数が高いほど試料を薄く加工する必要があります。 ロスが0.01程度以上ある場合さらに薄い試料が必要になることがあります。 一方、試料が薄くなると(例えば10μm)厚さ測定の誤差が目立つようになり、 結果的に誘電率測定の誤差が大きくなることにも注意が必要です。詳細はお問い合わせください。
試料を板状に加工する必要があります。 材料の特性と測定周波数によって適切な厚さと大きさが決まります。
共振器 | 正方形(mm) |
---|---|
E/W/D/G/Jband | 50 |
Broadband | 65 |
厚さの適正値は誘電特性と使用する共振器に依存しますが、100μm が 目安になります。周波数が高くなるほど、また、誘電率が高くなるほど試料を薄く加工する 必要があります。 各装置の測定周波数範囲内全域で正しく測定できる最大試料厚をグラフに示します。これより厚い試料についてはお問い合わせください。 また、損失の大きい試料(tanδ>0.01 が目安)の場合は更に薄い試料が必要になります。
試料を板状に加工する必要があります。測定周波数と材料の誘電率・透磁率に応じて推奨サイズが変わります。
4分の1波長が最適です。(試料内の波長短縮*を考慮する必要があります。)
厚くなると試料内の多重反射による誤差の影響が出る場合があります。特に透磁率測定で顕著です。
*試料内の波長短縮=
(ε':比誘電率, µ':比透磁率)
直径6波長以上が推奨されます。また、直径60 mm以上にすると冶具への固定が容易です。